脳のなかの幽霊(角川書店)

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脳科学の本

だいぶ前に買った本ですが久しぶりに読み返してます。
大変面白いのでちょっとご紹介を。

タイトルから小説かなんかだと思われるかもしれませんが、実は脳科学の本です。

カリフォルニア大学サンディエゴ校の教授と神経科学を中心とするサイエンスライターの共著。

切断された手足がまだあると感じるスポーツ選手、自分の体の一部を他人のものだと主張する患者、両親を本人と認めず偽者だと主張する青年--著者が出会った様々な患者の奇妙な症状を手がかりに、脳の仕組みや働きについて考える。さらにいろいろな仮説をたて、それを立証するための誰でもできる実験を提示していく。高度な内容ながら、一般の人にもわかりやすい語り口で、人類最大の問題<意識>に迫り、現代科学の最先端を切り開く!
(裏表紙より)

意識について

1999年初版発行なので最先端かどうかはわかりませんが、<意識>や脳の仕組みを完全に解き明かしてない現在においても十分な説得力を持っているように感じます。
(というより脳の仕組みが解明されるのはまだまだ相当先の事でしょうか)

普段我々は「自分」と考えている<意識>そのものについてはあまり意識しません。

しかしこうしてモニタを見つめているアナタとは一体何でしょうか?

もちろん体を指して「自分」ということも言えるでしょうが、腕を切り落として「これ(腕)がアナタですか?」と聞かれれば恐らく違うと答えるでしょう。
「自分の一部」、もしくは「自分を構成していた一部分」ではあると思いますが。

では足は?お腹は?心臓、肺などは?

足などもやはり自分の一部と私なら捉えますし、人工心肺等をつければしばらくは生きていけるでしょうから心臓などもやはり自分そのもの(自分という存在そのものという核、中心)ではないかも知れません。

とすると脳みそでしょうか。

でも脳には右脳左脳があります。そのなかのどの部分がアナタなんでしょうか。
しかも人間は片方の脳があれば生存が可能です。

とすれば、もしアナタを今バッサリと二つに切り分けて生命維持装置につなぎ、ほんの数秒でもそれぞれが<意識>をもっていたらそのどちらが本当のアナタなのでしょうか。

そもそも<意識>とはどうやって生じているのでしょうか・・・。
結局どこまでいっても答えが見つからない気がしてきます。

でもだからこそ興味深い。

「幻肢」という切断した手足の感覚があとまで残るという事実はすでに16世紀にフランスの外科医によって記載されているようです。

実際の体と意識とのズレ。

この現象をめぐって「魂が存在するという直接証拠」とする見解がもあったようですが(その気持ちもわからないではないけど)、実は脳のリマップによる現象だと本著では記されています。

もし少しでも「自分」について興味をお持ちならばぜひ一度読んでみることをお勧めします。

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